地形や気候からチーズを学ぶ!国ごとの特徴を解説

グルメ

ヨーロッパを中心に世界では様々な種類のチーズが作られています

前回のフランス編から引き続き、世界で作られるチーズの特徴を解説していきます。

今回は、ヨーロッパ諸国とまだまだ成長途中の日本のチーズ事情についてお話していきたいと思います。

チーズ大国『イタリア』

チーズといえばこの国!第二弾です。
フランスに続き、チーズときいて思い浮かべるのはこの国、イタリアではないでしょうか。
モッツァレラののったピザやパルミジャーノを削ってパスタにのせたりと、イタリア料理とチーズは切っても切れない存在です。
イタリアではチーズは料理に使われるのが主流ですが、同じチーズ大国であるフランスでは食後のデザートのようにチーズだけで楽しむのが主流という違いがあります。
そんなイタリアは2つの地域に分けてご紹介していきたいと思います。
イタリア北部
北部は大きく分けると3000m級の山々が連なるアルプス山脈とその山嶺地域、ポー河流域の広大な平野部という3つの地域から成っています。
山間部では保存性の高い「山のチーズ」が作られており、それに対し山嶺地域では『ゴルゴンゾーラ』や『タレッジョ』などの小型でソフトものが作られる傾向にあります。
ポー河流域エリアは、なんとイタリアチーズの生産量はほとんどを製造しているという一大産地です。
代表的なチーズには日本でもお馴染みの『パルミジャーノ・レッジャーノ』や『グラナ・パダーノ』などがあります。
イタリア中・南部
地中海に突き出たイタリア半島と地中海に浮かぶシチリア島、サルデーニァ島という大きな2つの島から成るエリアです。
気候が全体的に暑く乾燥しているため、羊や山羊の飼育が盛んです。
日本で羊乳チーズとして知名度が高い『ペコリーノ』も代表的なチーズです。
また『モッツァレラ』の先祖である水牛製チーズが作られ始めたのもこのエリアで、『リコッタ』や『ブッラータ』などのフレッシュチーズの生産が盛んという特徴もあります。

スイス

スイスはアルプス山脈やジュラ山脈に囲まれた穏やかな気候の国です。平地が少ないという土地柄から山あいで暮らす人々の重要な栄養源として、保存性の高い「山のチーズ」が重宝されてきました。
代表的なものには『グリュイエール』や『エメンタール』などのハードチーズがあります。
『グリュイエール』はフランスの『コンテ』と似ていると言われることもあり、『グリュイエール』の方が風味がまろやかでなめらかな質感なので初心者にもおすすめしたいハードチーズです。

スペイン

スペインはその多様な気候からチーズのスタイルも実に様々。
特に北西部のガリシア州やアストゥリア州は「緑のスペイン」と呼ばれる特徴的な気候で、牛のミルクを使ったチーズや洞窟で青カビを育ててつくる個性的なチーズがあります。
山がちで気温の高低差が激しい気候の内陸部では、家畜といえば羊が主でそのミルクを使って保存性の高いチーズがつくられます。
スペイン国内でも評価の高い『ケソ・マンチェゴ』などが代表的です。
暑く乾燥した地中海沿岸と山間部では粗食に耐えられる山羊のミルクを使ったチーズが主に作られています。
スペインではなんと山羊と羊、牛と山羊などを混乳して作られるチーズもあり、その多種多様性が伺えます。まさに自由なチーズの国。
スペインワインと一緒に頂きたい魅力的なチーズがまだまだたくさん潜んでいそうです。

ドイツ

ドイツはヨーロッパのほぼ中央部に位置し、9か国と隣接しているため近隣国から影響を受けた多種多様なチーズが生産されています。
西のオランダからは『ゴーダ』や『エダム』、南西のフランスからはウォッシュ系やソフトな白カビチーズの製法が伝来しました。
そんなドイツは、実はチーズの生産量はなんとアメリカに次いで世界第2位という隠れたチーズ大国ですが、
そのうちの約40%は輸出されており、消費量と生産量に差がある珍しい国ともいえそうです。
というのも自国の伝統的なものよりもクリーミーで食べやすいものが人気な傾向があるため、自国での消量量は輸入モノが30%を占めているそうです。
これが隣の”芝生は青く見える”ってやつなんでしょうか…?これもまた面白いチーズ文化の一つですね。

オランダ

オランダといえばチーズの輸出大国といわれ、近年の日本のチーズ市場に大きな影響を与えたといっても過言ではありません。
国土の多くがボルダーと呼ばれる干拓地になっており豊かな牧草地が広がっています。
気候も海流の影響で温暖なため、酪農には最適な環境でチーズ作りも古くから行われています。
またオランダは運河の発達が早かったこともチーズの輸出大国となった一因といわれています。
オランダの代表的なチーズといえば『ゴーダ』がありますが、クセがなく保存性も高いことから日本でも人気の高いチーズとなっています。
味わいにクセが少ないので、ハーブやガーリックなどが練りこまれたフレーバータイプのゴーダもよく見かけます。

日本

最後に日本のチーズについてもお話していきたいと思います。
日本のチーズの歴史は、鎖国時代の唯一の貿易相手だったオランダから伝わったゴーダチーズなどの影響が大きく、本格的にチーズの生産が始まったのは酪農が本格化した明治時代といわれています。
現在では日本各地で200を超えるチーズの生産者が日本の食卓になじむ様々な種類のチーズを作っています

その特徴といえばなんといっても”旨味”が濃く、ミルクの旨味とともにお出汁のような風味すら感じるものも珍しくありません。

 

ここで少し、最近筆者が見つけた日本産チーズをご紹介したいと思います。
写真の真ん中(開封済みですみません)は、新利根チーズ工房さんの『常陸晴』というチーズなんですが、なんとこちら世界的にも珍しいハードタイプの白カビチーズなんです。
ブリなどのまろやかミルキーなソフトタイプを想像して食べてみると驚き!

白カビ独特のキノコっぽさが濃厚に香る味わいでした!

このように日本製のチーズ作りは小さな規模で作られている生産者が多く、まだまだ成長段階にあるといえます!一風変わった種類のチーズもたくさん作られています。
一般的なスーパーなどで見つけるのは難しいかもしれませんが、チーズの専門店や道の駅など地場産食品を扱うお店ではお目にかかれる機会がありますので、ぜひお気に入りのチーズを見つけてみてくださいね。
こんなチーズあったよなどの情報があれば教えて頂けると幸いです!

 

まとめ
いかがでしたでしょうか。チーズはヨーロッパのみならず世界の国々で様々な種類が作られています。
今回紹介した国以外でもまだまだたくさんの世に知られていない種類が生み出されているんだろうなあと思うと、知的好奇心と興奮で眠れなくなりそうです…
これからもチーズについて独断と偏見をまとめた情報を発信していきたいと思っています。

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